■ 緑内障の検査の流れ ■

○ まずは眼底検査

眼科医が目の奥の神経を見て検査します。検査は目の奥をライトで照らすので多少眩しいですが、痛くも何ともありません。記録を残すために、眼底カメラという機械で目の奥の写真を撮る事もあります。



目の奥の「視神経乳頭」という場所を特に精密に検査します。視神経乳頭は神経が目玉から脳に向かって出ていく場所なのですが、緑内障が進むと神経が死んでいき、視神経乳頭の凹みが大きくなったり色が青白くなったりしていきます。

 視野検査眼底検査で緑内障が疑われた場合、緑内障で見えなくなっている部分が実際にあるのかどうかの検査(視野検査)を行います。また、緑内障が見つかり治療を開始した後も、緑内障が進んでいないかどうかの検査のために定期的な視野検査が必要です。 当院では視野検査機器として、緑内障検査の世界的標準となっているドイツ・Zeiss社製ハンフリー・フィールドアナライザーを導入しております。片眼5分ほどと短時間の検査で初期~末期の緑内障全てに対応できます。また、OCTを用いた視神経乳頭の形状解析による緑内障の検査が、現在、世界的な流れとなりつつあります。従来の視野検査は「自覚的検査」という検査に分類されますが、OCTでの検査は「他覚的検査」となります。検査時間も数十秒と極めて短く、より楽に検査を受けることができるようになりました。これらの検査機器を組み合わせ、症状に併せて使い分ける事で高精度な検査を実現しております。
■ 緑内障の治療 ■

緑内障が進む原因としては眼圧が高い(目玉がパンパンに張ってしまい、神経が押しつぶされていく)事が挙げられています。そして現在、緑内障の治療には眼圧を下げることが唯一の有効な手段であるとされています。どのくらいの眼圧まで下げればよいのかにつきましては、色々な指針はあるのですが、最終的には緑内障の種類や患者さま個々人の目の強さによっても異なりますので、一概には言えません。

 ○ 点眼治療

目薬によって眼圧を下げます。最近色々な良い目薬が開発され、2,30年前に比べ緑内障の治療は格段に進歩致しました。
点眼薬の例。他にも色々な種類があります。開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障を含め、多くの種類の緑内障はまず目薬、もしくはレーザーでの治療となります。

○ レーザー治療

SLTレーザーという、最新鋭の特殊なレーザーによって眼圧を下げます。痛みは無く、レーザー治療はすぐに終わります。目薬を定期的にさすのが困難な方や、目薬が目に合わない方に特にお薦めしております。
Ellex社製 SLTレーザー装置

 また、LI(レーザーイリドトミー)というレーザー治療を、閉塞隅角緑内障に対して行います。閉塞隅角緑内障の方は、緑内障発作といって、突然目が痛くなり、放置すると数日で失明に至る事があります。

レーザー治療だけでも緑内障発作は抑えられますが、より進んだ治療のために白内障手術を行うのが最近の流れとなっております。緑内障なのに白内障?と思われるかもしれませんが、白内障手術を行う事で目の中の水の流れを大幅に改善でき、閉塞隅角緑内障の治療となるのです。

○ 手術治療

目薬やレーザーでは緑内障の進行が食い止められない場合には手術となります。色々な手術方法がありますが、当院では虹彩切除術、隅角離解術、線維柱帯切開術、線維柱帯切除術などの手術を行っております。

また、当院は複数の大学病院、総合病院とも積極的に連携しており、患者さまにとって最善の医療をするために、信頼できる医師への紹介もしております。

・緑内障とは