眼の構造は、カメラとよく似ています。眼には角膜、水晶体という2つのレンズがあり、光を眼の奥の黄斑部に集める(ピントが合う)と物が見えるようになっています。

 


 

近視とは、黄斑部の手前でピントが合う状態のことです。そのため近くはよく見えるのですが、遠くを見るとぼやけてしまいます。

 


 

遠視とは、黄斑部の後ろでピントが合う状態のことです。遠視は遠くが見えると思っている方も多いですが、実際には近くを見るときも、遠くを見るときもぼやけて見えます。

 


 

乱視とは、角膜表面が球形ではなく、楕円形になっていたり、歪んでいたりすることで、黄斑部の前方や後方で、ピントが合う場所が1つ以上できる状態です。ぼやけて見えたり、二重三重に見えたりします。

 

 

このように、近視、遠視、乱視では黄斑部にピントが合っていない為に見えません。

近視、遠視、乱視をまとめて「屈折異常」といいます。

 


 

屈折異常の治療

 

メガネ

 

最も安全で、最も歴史がある屈折異常の治療法がメガネです。安全ですので、困らないならメガネが最もお勧めです。

 

 

コンタクトレンズ

 

19世紀終盤に実用化され、20世紀後半より一気に普及しました。使用法を守って使えば大変便利ですが、使用法を守らず、無茶な使い方をすると失明することもあります。正規認可された品物を使い、眼科での定期検診を受けてください。

 

 

PRK

 

角膜の表面の薄皮(角膜上皮)を特殊なブラシなどで削り取り、エキシマレーザーを当てて屈折異常を治療します。レーシックが開発される前はPRKが主流の手術方法でしたが、削り取ってしまった角膜上皮が再生するのに1週間程度必要で、その間は痛くて見えにくいという欠点がある為、レーシックに主役の座を明け渡しました。

レーシックと異なりフラップが無いため、格闘技をする等の眼に衝撃が加わる可能性がある人にはPRKの方が向いています。

 

 

レーシック

 

角膜にフラップを作り、エキシマレーザーを当てて屈折異常を治療します。その後フラップを元に戻すので、角膜上皮はほとんど障害されません。その為、「痛みがほとんど無い」「翌日から1.0程度は見える人が多い」というメリットがあり、現在屈折矯正手術の主流となっています。

 

 

有水晶体眼眼内レンズ (ICLはこれに属します)

 

眼の中にレンズを埋め込んで屈折異常を治療します。「ICL」「アルチザン」「アルチフレックス」などの商品がよく使われています。PRKやレーシックは角膜を削るので元には戻せませんが、有水晶体眼眼内レンズは眼の中にレンズを入れているだけなので、取り出して元に戻すことができます。また、角膜が薄い、近視が強すぎるなどの理由でレーシックを受けられない方でも治療可能な場合が多いです。

まだ新しい治療法なので長期予後が不明であり、また、費用がまだ高額であるという欠点があります。世界的には、よりプレミアムな屈折矯正手術として徐々に普及してきています。

 

 

 

 

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くが眼科医院

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